パネットーネ②
― 素材と職人の手仕事から生まれる、イタリアの伝統菓子 ―
パネットーネは、材料を配合して焼成すれば完成する商品ではありません。
当工房では、一つのパネットーネを仕込みから仕上がりまで、約3日間かけて製造しています。
効率だけを考えれば、とても合理的とは言えない製法です。
しかし、その時間を省いてしまえば、パネットーネそのものが成立しません。
イタリアのパン職人にとっても、一年の中で特に神経を使う仕事の一つです。
長い時間をかけて発酵と生地の状態を見極めながら、一つのパネットーネを仕上げていきます。
当工房でも、イタリアの伝統的な製法に則り、時間と工程をかけて製造しています。
食材のこだわり
パネットーネに使う小麦は、イタリアから輸入したパネットーネ専用の小麦粉のみを使用しています。
生地に練り込む卵は「卵黄」のみ。
さらに、レモンやオレンジはフレッシュな状態から果皮を削ぎ、香りを生かして使用しています。
バニラには、香料ではなく本物のバニラビーンズを使用しています。
焼成後の特殊な光景
パネットーネの製造工程で、初めて見る方が特に驚かれるのが、焼成後の光景です。
焼き上がったパネットーネは、オーブンから出してそのまま冷却することができません。
非常に柔らかな生地であるため、焼成直後にそのまま置いておくと、自重によって生地が沈み、膨らんだ形状を維持できなくなるためです。
そのため、焼き上がったらすぐに逆さにして吊るし、冷却します。

(冷却の様子)
この工程は、パネットーネ特有の製造工程の一つです。
焼成後の状態を見極め、適切なタイミングで処理することも、完成品の品質を左右します。
「オーブンから出せば完成」ではなく、焼き上がり後まで製造工程が続いているという点も、パネットーネが一般的なパンとは異なるところです。
効率だけでは作れないもの
ここまで、パネットーネの製造工程の一部をご紹介しました。
パネットーネは、短時間で効率よく製造することを前提とした商品とは、製造の考え方そのものが異なります。
時間をかけることそのものが目的なのではなく、時間をかけなければ成立しない製法がある。
当工房では、その製法と向き合いながら、イタリアの伝統的なパネットーネを製造しています。
次回は、当工房で製造しているパネットーネのラインナップについてご紹介します。
